創造の発展的継承
一、 雪舟讃I(1998年)/広瀬量平作曲 HIROSE Ryouhei: Homage to Sesshuu I
二、 闇市案内図(2006年)/鷹羽弘晃作曲 TAKAHA, Hiroaki: The Guide to the black market
三、 金雀(1991年)/譚盾作曲 Tan Dun: Golden Sparrow
四、鉄輪 ─和楽器オーケストラのための─(委嘱初演)/高橋久美子作曲
五、インド旋律による『壁画』(1973年)/牧野由多可作曲
2010年9月22日[水] 午後7:00開演(午後6:30開場)
会場 : 津田ホール(JR千駄ケ谷駅下車)
主催 : 特定非営利活動法人日本音楽集団 ◆http://www.promusica.or.jp/
助成 : 平成22年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業) 社団法人私的録音補償金管理協会(sarah) 財団法人朝日新聞文化財団
協賛 : 津田ホール
入場料 : 4,000円 全席自由
チケット予約 :
日本音楽集団 TEL:03-3378-4741 FAX:03-3376-2033 E-mail:office@promusica.or.jp
電子チケットぴあ pia.jp/t 0570-02-9999
Pコード 123_178
ヤングチケット : 25歳以下の方に割安料金で。
前日午前中までに日本音楽集団事務所へご連絡ください。
今年度、4回にわたってお届けしてまいりました「200回記念シリーズ」。その最終回である今回は、これまでの日本音楽集団委嘱作品の中から邦楽合奏というジャンルにおける「財産」とも言うべき作品を厳選いたしました。 広瀬量平氏、牧野由多可氏は、音楽集団にとって、まさに忘れ得ぬ存在であり、譚盾氏は今や世界的に著名な作曲家。鷹羽弘晃氏の闇市案内図は林光氏のコンポーザープロジェクトシリーズにおいて、ご自身の指揮によって初演され、大変好評であった作品。そして2009年に入団した作曲家、高橋久美子が大編成の合奏曲に挑みます。 作曲家、作曲年代によって、邦楽器に対するアプローチの仕方はさまざまです。その要求に柔軟に対応することにより音楽集団は成長してまいりました。これらの財産を継承しつつ、さらに新たな表現の可能性を求めてこれからも我々は前進してまいります。 シリーズの集大成となる今回は、全曲稲田康の指揮でお届けいたします。お楽しみください。
鉄輪 ─和楽器オーケストラのための─ (委嘱初演作品)/高橋久美子作曲 能の「鉄輪」は、夫に捨てられた女が恨みを晴らすべく、夜ごと丑の刻参りを重ねると、ついには赤い衣を着て顔には丹を塗り、火を燃した鉄輪を頭に戴いた鬼となり、後妻と夫をとり殺そうとするのだが、陰陽師・安倍晴明の祈祷により呼び出された神々に阻まれて「まずこの度は帰るべし」と言い残して姿を消すというストーリーだ。 能では、たとえ怨霊となったとしても、最後には成仏し消え失せるというのが常ではあるが、この鉄輪では「時節をまつべしや(また来るぞ)」というところに、女の執念の深さ、そしてだからこその悲しみのようなものを感じざるをえない。この世界観を和楽器オーケストラによって表現できないものか?と考えたのである。 能管や尺八等の管楽器は、嫉妬に狂う女の叫びを、また箏、三味線などの糸の絡みは、それゆえの心の葛藤を、そして打楽器はそれぞれの感情を操り、時にはあしらうのである。 さて、この和楽器オーケストラによる「鉄輪」での結末や如何に?
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